いつもおどけてる遙生だけどさ、
昔は尖った安全ナイフみたいな時期もあったんだよね。
目と目が合えば
遙生に惚れたなって勘違いし、
ちょっと悪そうな野郎と目が合えば
急に用事を思い出したもんさ。
まぁ、高校時代は丸くなってたからな。
でも、若い頃は抗争なんて当たり前だったよ。
「てめえ、どこの組だよ?」
挨拶のように言ってたね。
「あぁん?5年3組だよ!」
「てめぇなめんなよ?戦争したろか?」
遙生だけじゃなく、仲間まで巻き添いになってしまった水風船爆弾。
ダチにまで手を出され、さすがに切れた遙生はあいつらの上履き全部隠してやったよ。
翌週の月曜日、朝礼で全校生徒の前で泣きながら謝罪したっけな・・・。
5年3組の奴らよ、
権力まで使いやがって、敵ながらあっぱれだったわ。
遙生さ、
そんとき6年2組だったんだわ。